17世紀のオランダでターバン?フェルメール《真珠の真珠の耳飾りの少女》の青いターバンに隠されたフェルメールの演出
前回のブログでは、『真珠の耳飾りの少女』が身につけている耳飾りが、実は本物の真珠ではなく模造真珠ではないかというお話をしました。
今回は、一度見たら忘れられない、あの「青と黄色のターバン」にスポットを当ててみたいと思います。
17世紀のオランダで、あのターバンは流行していたのでしょうか?それとも……?
↑ヤン・ステーンの風俗画
青と黄色のターバンは当時のトレンド……ではない!?
結論から言うと、当時のオランダ(デルフト)でターバンを巻いて街を歩く女性はいませんでした。
当時のオランダ女性の身だしなみといえば、清潔な白いキャップやレースの帽子を被るのが一般的。ターバンは日常の流行ファッションではなかったのです。
↑ガブリエル・メッツの風俗画
ではなぜ、フェルメールは彼女にターバンを巻かせたのでしょうか?
理由①:空前の「異国趣味(オリエンタリズム)」
当時のオランダは、貿易で世界中から珍しいものが集まる大航海時代の中心地でした。
人々は東洋やシルクロードの文化に強い憧れを抱いており、絵画の世界でも「東洋風」「オリエンタル」な要素を取り入れることが大ブームに。
フェルメールは、異国の布を頭に巻きつけることで、少女に「どこか遠い国からやってきたような、ミステリアスな雰囲気」を与えたのです。
理由②:「青×黄色」の完璧なカラーコントラスト
ターバンの青には、当時金よりも高価だったと言われる鉱石「ラピスラズリ」から作られた「ウルトラマリンブルー」という貴重な絵の具が使われています。
鮮やかな青と、下に垂らした黄色の布。この対比(補色関係)によって、少女の存在感が一層際立つよう計算されています。
光と布が織りなす、フェルメールのマジック
光を反射するガラスの耳飾り。
異国情緒を漂わせる青と黄色のターバン。
そして時代を感じさせないシンプルな衣装。
フェルメールは身近な布や小道具を巧みに組み合わせ、キャンバスの上に「完璧な世界」を作り上げました。
次にこの絵を見る機会があれば、ぜひ「フェルメールが仕掛けた異国の演出」にも注目してみてくださいね。





